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蓮司も俺の横に腰を下ろした。
「今から三ヶ月前ぐらいに相談されたんだ。バレンタイン、お前に告白したいから協力してくれって」
本来なら、蓮司は俺に箱を開けるように促すだけだったらしい。
「けど、ミチルの容態が悪化して…… 最後に会った時、今日のことをお願いされたんだ」
最後までミチルに頼られる蓮司に、少しだけ嫉妬してしまう。
「蓮司が羨ましいよ」
一限の始まりを告げるチャイムが鳴る。
「俺はお前の方が羨ましいけどな」
チャイムに紛れた蓮司の声を聞き取ることが出来なかった。蓮司は空を見上げるように、その場に寝転んだ。
「このまま、サボろうぜ」
「ああ」
俺もその場に寝転ぶ。空はどこまでも青く、どこまでも広がっていた。
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