それぞれのプロローグ

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~探検家ローガン・ルメインの手記~ 調査記録 四の月 十の日 今日、飲み屋のオッサンが騒いでいた「光るモノ」の調査に赴いた。 どうせいつものホラだろうが、今回はなんだか様子が違った。 まあ、期待せずに調査を続けよう。 四の月 十一の日 やっちまった・・俺がこんな森で迷うとは、この森もいつもと違う気がする いくら歩いても景色が変わらない気がする。おまけに、日もしずまねぇ・・・時間の感覚でも失ってんのか?それか酒の飲み過ぎか・・ 四の月 十二の日 おかしい、いくらなんでもこれはおかしい、森の中を進んではいる。いるんだが、このぬぐいきれない違和感はなんだ、見たことがある景色でも何かが違いまったく見たことない場所に道があるように感じる。おまけに夢では誰かに話かけられている声が聞こえる。やはりこれは・・ 無事、たどり着くことを祈るしかなさそうだ。 四の月 十五の日 驚いた。本当に遺跡を見つけちまった。あれから数日森をさまよったすえに急に目の前に現れやがった。暗闇の中で輝くその球体はさながら占い師連中が使う水晶玉のように丸く幻想的、いや不気味といった方がいいか。しかし、道中のあの感覚といい、何らかの魔法の産物であることはほぼ確定だろう。 だが、何があるかわからない、日が暮れた今日はあきらめるしかねえな。 四の月 十六の日 遺跡の中に潜入した。中は一つの部屋になっていて、水晶の原石、魔導士が持っている物に酷似した杖、何に使うかわからん金属片などが散らばっていた。古代の研究所かなんかだろうか。ただ、この手の遺跡は魔法式や機械式の罠の一つや二つあるもんなんだが、ここはそれらしきものがない。少し引っかかるが、まあいい安全にこしたことはない。それにしても不思議だ。ここには一度来た気がする。さておき、サンプルとしていくつかの物を持ち帰ることにする。 四の月 十七の日 また、おかしなことが起こりやがった。遺跡から出て数歩歩いただけで、森の入口あたりに立っていた。確かにあのままじゃ帰りも迷子になっていただろうが・・便利なお帰り機能なんて古代人がつけるか?いや、俺の予想通りなら・・とにかく近くの村でサンプルの調査をすることにする。
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