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「大丈夫でしょうか?」
店長はそんな彼女の様子にそんなつぶやきを漏らすが、こんな人と連れ立って通りを歩いた場合、間違いなく注目されてしまうだろう事を考えると、彼女の反応も仕方ないと同情してしまう。実際の所、店長はこのあたりではかなりの有名人で(こんな格好だからというのはもちろんあるが)、店長が注目される事はないのだが、このあたりに住んでいるわけではないだろう彼女にそんな事が分かるはずもない。
「大丈夫ですよ」
私は店長に素っ気なく応えると、雑誌の下に隠した団扇を取り出し自身を扇ぐ。夏も盛りの八月、ここ連日の真夏日に、私はほとほと参っていた。店にはクーラーもなく、有るのは何年前に購入したのかと聞きたくなる扇風機一つだったのだが、その扇風機もつい先日、天寿を全うしたのだ。だから、早く新しい扇風機を買いましょう、と進言していたのに、と愚痴っても仕方がない。
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