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「後は画面をタップするだけで良いですから」  使い方の説明に頷き、カメラを構える。説明をした少女は慌てて店長の隣に移動すると、店長と腕を組む。最近の女子高生は大胆だな、と呆れ、それと同時に、いやいや、私だってついこの間までは、と思い直す。 「それじゃ、撮りますね?」  私の言葉を合図にみんな思い思いのポーズを撮る。私が高校生の頃はあんなポーズがはやったなあ、と再び昔を懐かしみそうになるのを慌てて抑え込み、画面をタップする。  カシャリという音が店内に響き、画面上に撮影した画面が表示される。 「ありがとうございます」  スマートフォンの持ち主が私の元に走り寄ってくるので、それを渡すと、彼女は写真を確認し、満足したのか、保存していた。
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