第1章

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「好きなんです!先輩と星を見るのが!」 夏特有の濃厚な空気の中に響き渡る決死の告白。 満点の星空の下で、二人は向い合っていた。 (なんてロマンチックなんだろう…) 湾野 小唄(わんの こうた)は目の前の想い人を見つめた。 「お前…」 目の前の想い人は思い切り目を見開いた。 そして、小唄の顔に向かって手を伸ばす。 (あ、これってもしかして…キ、キス…!?) 期待を込めて目を閉じたまぶたの裏に、突如星が散ったのと同時に脳天にガツンと衝撃が走った。 「お前、俺の事おちょくってる暇があったら望遠鏡の整備でもしてろ!!」 怒声と共に、想い人はくるりと踵を返して歩き去ってしまった。 湾野 小唄、好きになった先輩は、男の人でした。
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