2人が本棚に入れています
本棚に追加
「好きなんです!先輩と星を見るのが!」
夏特有の濃厚な空気の中に響き渡る決死の告白。
満点の星空の下で、二人は向い合っていた。
(なんてロマンチックなんだろう…)
湾野 小唄(わんの こうた)は目の前の想い人を見つめた。
「お前…」
目の前の想い人は思い切り目を見開いた。
そして、小唄の顔に向かって手を伸ばす。
(あ、これってもしかして…キ、キス…!?)
期待を込めて目を閉じたまぶたの裏に、突如星が散ったのと同時に脳天にガツンと衝撃が走った。
「お前、俺の事おちょくってる暇があったら望遠鏡の整備でもしてろ!!」
怒声と共に、想い人はくるりと踵を返して歩き去ってしまった。
湾野 小唄、好きになった先輩は、男の人でした。
最初のコメントを投稿しよう!