第一章 始まりは終わりの地で

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「で、なんでまたこんなのを……」 「いや、彩弓クンにあげようかなって――」 「いらないよっ!!」  舞香は即答した。危なすぎる。こんなものに乗って落ちた日には、それだけで怪事件として世に拡散されることだろう。なのだが、やっかいなことに彩弓はこの凧を気に入ってしまったらしい。舞香の袖をぐいぐい引っ張りつつねだるように上目遣いになる。 「ねー……、舞香おねーちゃん」 「グ!? この娘、そんな技をいつの間に!? ひ、卑怯な」  衝撃(笑撃)が走る義姉の頭をスパンと双子の実姉が叩いた。 「屈するんかい」 「おぉう!? あ、おねーちゃん。安静にしてなきゃ駄目じゃないの?」  頭を抑えつつ振り返る舞香とバツが悪そうな顔の彩弓に、長女である碧は二人の妹の頭を優しく小突いた。 「あんた達がギャーギャー騒ぐから、寝れないんじゃないの」
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