第三章 鬼哭啾啾の亡霊

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「あら、やってるわね」 「いやいやいやいやいや!!」  義賢の言葉に一真と晃は同時にツッコミを入れた。 ――何がどうなってんだ。  都会のデパートからフロアを一つ抜き取ってきたかのような空間だった。  或いは、パーティ会場だろうか。開けた空間を、洒落た店舗が等間隔に構えられており、その間を先客が行き来して買い物を楽しんでいる。  幸せに満ち足りた顔で。楽しそうに――地獄を知らぬ顔で、無垢な顔で、通り過ぎていく子ども達。  誰一人として、一真達の事は見えていないようだった。 「幻術……とも違うわね。まるで、怪異が起きる前の状況がそのまま保存されたかのような感じ」  ビデオみたいなものだろうか。  平穏と微笑みがひたすら流れる映像。  何かが決定的に欠けた光景。  意図的に消し去られたかのような。 「で? このまま嫌な感じのする気に向かってくのか?」 「あぁ……うーん、害がないんならこのまま通りぬけてもいいか」 「いいんじゃない?」  三人がぎこちなく、ショッピングモールを過ぎようとしたその時だった。 「だして」 「ここからだして」
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