第一章 始まりは終わりの地で

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「月は?」  言われて、一真は慌てて隣を見た。いつの間にか月の姿がいなくなっていた。晃も、おやっと驚いたが、やがて何事か飲み込めたらしく、にやにやと意地の悪い笑顔を浮かべた。 「お前、いつからそんなにモテるよーになりやがった」 「……なんのことかなー?」 「怖いなら、俺もついていってやるが?」 「だから、なんのこっちゃ……」  一真は心当たりのない振りをしつつも、かなり焦った。これは早く追いかけていくべきシチュエーションだということは分かっている……つもりだったのだが。 「馬鹿ね、あんた達。月ちゃんが逃げ……、消えたのは私のせいよ。私のせい。男共は黙って待ってなさい」  未来はサバサバとした調子でそう言い残し、目を点にしている男達を残して船内へと月を探しに出かけた。
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