第一章 始まりは終わりの地で

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「又聞きでしかないけど、すごーく、でっかい戦いだったんでしょ?」 「……それを二人で乗り切ったんだったら、それだけで熱烈な愛が生まれてもいいものなのに」 「え、あ、ん、うん……?」  何を言っているんだ、この二人。月は顔を赤らめながらしどろもどろに返答する。その横で未来までもが呆れていた。 「月は未来ちゃんに一真を取られるのが怖いんだよねー?」 「うわぁっ!?」  背後からの大声に思わず飛び上がる。恐る恐る振り向くと、日向が今にも舌打ちしたそうな顔で舟の上から見下ろしていた。十メートルはあるかと思う舟の甲板の上から躊躇することなく飛び降りると、優雅に月と未来の間に着地した。 「違うー? 違わないよねー。違ってたら、話の途中なのにどっか行ったりしないよねー、コンチクショー!」
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