第一章 始まりは終わりの地で

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 それから、晃や他の人達も降りてくる。  大人達は、今回の作戦の結果について話し合うために宿坊の方へと向かっていく。朝霞や他の陰陽師達が作り出した簡易型――見た目は紙で作った巨大な人形――の式神を使い、怪我人達を道場の方へと運んでいく。  道場の方から四季を司る神の加護を受ける巫女の姉妹、式部常磐と式部佐保の二人が歩いてくるのが見えた。 「おかえりなさい、二人共」 「無事で安心しましたわ」  自然体で上品な姉と、そんな姉を意識して上品に振舞おうとする妹。しかし、どちらも一真と月の帰りを待っていてくれたことに変わりはない。 「ありがとうな、二人共」と一真が答え月も微笑んだ。    それから姉妹は、一瞬顔を見合わせた。 「で、二人の進捗状況はどうなの?」 「「はぁっ?」」  二人仲良く叫ぶ後ろで、未来がどす黒い笑みを浮かべ、その横で日向と碧と舞香が溜息を吐き、 彩弓がポカンと成り行きを見守っている。 「……カオス」と呟いたのは晃だった。
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