第一章 始まりは終わりの地で

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 通信で参加していた重鎮の大半がその情報が今になって出たことに渋面になったが、一人だけ全く別の反応をした者がいた。 『驚いたな。あんさんが愛弟子一真君が打ち明けた秘密をここで晒すとはね』  十二天将の内の四神、白虎を式神とする陰陽師曽我海馬だ。十二天将は、元々安倍晴明が使役していた式神達だ。この式神を晴明本人から託された者達が、十二天将の式神の使い手と呼ばれる。晴明の信頼を勝ち得た実力者たちということになるが、それが果たして本当に信頼故に勝ち得たものなのかどうかは怪しいものだと霧乃は思っている。 『現陰陽寮もようやく、あんさんに信頼してもらえるようになってきた……なーんてことはないんやろけどな』  海馬の変な訛りのある言葉遣いは幼少の頃から西日本を転々としていた事が影響している――らしい。
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