第一章 始まりは終わりの地で

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『今更隠すことでもあるまい。少しでも情報が欲しい』  頑徹は片方の眉を吊り上げて海馬を牽制する。海馬は、まぁまぁというように宥めるような手つきをしたが、口は笑っていた。 『やっぱ、いろんなやつに気に入られてるんやな』  通信で参加していた土御門創二が、ふんと鼻を鳴らした。彼は今回の大峯山での怪異が起きる前、一真と模擬戦をしたらしい。勝敗は創二の勝ちだった。恐らく、創二は一真の実力を認めていないのだろう。 『陰陽少女を九霊太妙亀山、玉の皇女。つまりは月の神の加護を受ける者とみたとき、その対になる存在となるのがあの少年であるというだけでしょう。そもそも、東華帝君は一説によれば『後付け設定』だという者さえいる。ある意味ではあの少年の存在に合致する呼び名だろうけどね』
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