序章

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 アルテミオ・リカルテがいた場所には巨大な水柱が連なり、爆発により破片が四散する。  何が起きたのか分からなかった。  「アルテミオ・リカルテが!?あっ!!発砲炎らしきもの……っ!」  グレゴリオ・デル・ピラールの周りに多数の水柱が立ち、一つが右舷艦中央に立つ。  激しい揺れが艦を襲い、艦橋にいた人員がバランスを崩し倒れる。  『被害報告!』  『右舷艦中央喫水線下に亀裂!浸水発生!』  この報告は茫然としていた艦長の目を覚ますのには十分だった。  『ダメコン急げ!対水上戦闘用意!主砲攻撃始め!』  警報とともに、管制員の操作によりMk.92 mod.1 射撃指揮レーダーで捉えた目標に主砲が指向される。  『主砲撃て!』  Mk.75 76mm単装速射砲から高速で榴弾が撃ち出される。  コンピューター制御された射撃管制装置は、レーダーの指示する目標へ、正確に榴弾を叩き込む。 .
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