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****************** 「ねーねー」 「うん?」 「14日はデートしたいなぁ」 ちゃぽんと湯を揺らしながら、 ノンが寄りかかってきた。 クリスマスの1件以来、逢いたい日は、 前もって申告してくるようになった。 可愛い可愛い彼女である。 「14……あぁ、バレンタインか」 湯冷めしないよう、 ノンの肩に湯を掛けてやりながら、 智樹はこっそり天井を仰いだ。 正直、不得意とするイベントだ。 どれだけ氷と謳われようと、 智樹の『甘いマスク』とやらは、 女心を惹き付けるらしい。 甘いものは好きだがそれも限度ものだし、 男女のいざこざに巻き込まれることも、 多々あったため、 苦手意識が付いてしまったのだ。 「忙しい?」
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