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飲み会からの帰り
最終電車の中で
私は独り考えていた。
コウに何が憑いているのか?
コウの身に何が起きているのか?
霊の見えないコウにまで
はっきりわかる程写メに写った女性。
その女性は
なぜコウに?
基本、私は
人に憑いているモノがわかる程
力がない。
今回のコウみたいに
かなり良くないモノをつけてる場合のみ
何か憑けてるかも…とわかるぐらいで
その正体までは全くわからない。
だから
いくら考えたって
コウに憑いているモノの答えが出るわけないのに
それでも考えずにはいられなかった。
結局……
今でも好きなんだよね。
コウが
以前みたいに普通に話しかけてくれた。
そんな些細な事で
諦めなければと苦しみ抑え込んでいた
私のコウへの気持ちは
いともたやすく浮上し
昔の感情へと引き戻されてしまう。
そんな自分が嫌になり
また、酔ってたとは言え
何事もなかったように話かけてきたコウに
嬉しい反面、腹ただしさも感じ
どうせわからないのだからと
考えるのを止め
私には関係ないと
自分に言い聞かせる。
夜中の1時過ぎに帰宅した私は
双子チワワ、姫と殿のお世話をすると
すぐに眠りについた。
この時すでに
私の異変は始まっていたのかも知れない。
でも考え込んでいた私は
気付かなかった。
思えばこの日
帰宅した私に向かって
なぜか殿が吠えていたのに
5時に起きなければならなかった私は
殿のそんな行動を気にする余裕がなかった。
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