異界から ④

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それから数週間後だったろうか。 ユウから電話があった。 「保険会社の人は 男はもういないって言うけど まだいるよね?」 あの日の朝方に起きた事 田原さんとのやり取りの事を 一通りユウに話した私は 一番確認したかった事を ユウに聞いた。 『うん、まだいるね』 私の質問に あっさり答えるユウ。 『まぁ、俺自身 何かした自覚はないけど うーん、もう簡単には 咲良ちゃんに近付かないんじゃないかなぁ?』 確かに、ユウの言葉通り 男はあれ以来 私の前には現れていない。 どこにいるのかはわからないけれど 相変わらず隠れるように気配を消しながら 私を監視しているだけだった。
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