異界から ④

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店内には常連のお客様が数人。 私は占いをしていた お店の隅に設置されたテーブルから カウンターの空いた席に移動した。 顔馴染みの常連同士。 私もその会話の中に 自然に入っていく。 その中に 細身で中性的な顔立ちをした男性 ナオ君がいた。 ナオ君はいわゆる視える人。 それもかなり視える人らしい。 でも、語らない。 自分が視えたモノに対して ほとんど語らないため 彼に視えている世界は 私には未知数。 先月の占いイベントの時も ナオ君はそのバーに来ていた。 そして 私を見たナオ君は すごく心配しながら マスターに言ってたらしい。 『あの人、 生気がほとんどなくなってるけど 大丈夫かな?』
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