異界から ④

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このバーで ナオ君を初めて見た時 私はナオ君が 男性なのか女性なのか わからなかった。 かなりの細身で 後ろ髪は一番長い部分が肩につくぐらいあり 前髪も目にかかるぐらいの長さ。 目鼻立ちが驚くほどととのっており 椅子に腰をかけ すごく眠そうにしている様は 妙に色っぽかった。 その日 そのバーに一緒にいた私の友達が ナオ君と面識があったらしく 『相変わらずイケメンだね。』 と声をかけたことで 私は初めてそこで ナオ君が男性なんだと認識した。 好みかと聞かれれば好みではないが 目の保養には申し分のない 本物のイケメン。 だから、私の視線は 常連同士で会話をしながらも 引き付けられるように ナオ君の方を向いていた。
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