異界から ④

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その後も 常連同士でわいわいしながら 朝方まで飲んでいた。 あの日 ナオ君にいいと言ってもらえた勾玉は 今でも私の胸元にある。 長かった魔界の者との戦いは こうして終わりを告げた。 人の縁、因縁は 不思議なものである。 遥か昔の過ちが 何千年経った今になって 影響するなんて―――。 ましてや それにより今世 命を奪われる危険に侵されるなんて――――。 人は愚かな生き物だと思う。 人になる前から愚かな私は 更に愚かな生き物だと―――。 愚かだからこそ 学ぶ。 愚かだからこそ 高みを目指して 昇り続ける。 今あるこの生命に感謝。
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