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私の視線に気付いたコウは
『まだ憑いてる?』
と、確認するように聞いてきた。
「今日は、いつもよりかは
体調いいんじゃない?」
『うん、確かに今日は、
いつも程きつくないかも。』
少しだけ笑顔でコウが答えた。
「今までよりは、
憑いてるもの薄くなってる。
だから大丈夫だと思うよ。」
何が憑いてるのかもわからず
たまたま今日だけ
黒い空気が薄いだけかも知れないのに
私はコウを安心させたくて
大丈夫だと言った。
例え大丈夫じゃなくても
写メに写った女の正体もわからない私には
どうする事も出来ない。
ならば
変に不安にさせて
状況を悪化させるよりは
大丈夫だと安心させ
気にしないようにさせるのが一番だから。
大丈夫。
今までも命は持っていかれてないのだから
これからも
どんなに最悪な状況になっても
コウは死にはしない。
なぜかその確信だけははっきりとあったから
私はそれ以上この話題に触れるのを止めた。
これ以上
コウに
関わりたくない……
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