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そんなことを思い出しながら
あたしは今、湊と食事をしている。
この間の送り時の最後の言葉は
本気だったようで、本当に湊から
電話がかかってきたときには驚いた。
バイトの日以外でもプライベートで
会ったことは数回あったけど、
そのときはどちらかが酔っていたりして
ひどくセックスしたいときだけだった。
でも今回は食事だけだ。
最初は生理だと嘘をついて断った。
そうしたら
「別にソレ目的じゃねーよ」と
自傷したように笑った声が返ってきた。
ソレをしないなら何をすると言うのか。
「また…らしくないこと言ってる。
何もでないよ?」
「…相手はたくさんいるから」
あたしはこんなにクールな男に
そこまで心配をかけさせているのかと思うと
あのとき甘んじた自分が情けなくなる。
結局、他に断る理由もなく
食事に来た。
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