309人が本棚に入れています
本棚に追加
食事するビルの前について
エレベーターのボタンを押す。
すぐにエレベーターのドアが開いて
先に湊が入った。
「じゃあ今日は運が良いのかもね」
続いてあたしもエレベーターに入る。
「それ本気?
レイがイイ女だからだろ」
言い終わるか終わらないかのタイミングで
湊は長い腕を伸ばし、
あたしの右後ろにある閉のボタンを押した。
狭いエレベーターでは湊が一歩近づくだけで
香水の香りがわかるほどの距離になる。
急接近した湊の顔はやっぱり整っていて
誰が見ても美青年だ。
「自分がイイ女って自覚、あるでしょ?」
そう言って、あたしの首筋から鎖骨にかけて
指で滑らせたあと、いつものように
片側の口角だけ上げて笑った。
最初のコメントを投稿しよう!