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なんだか、むずかしい。
「おかあさん、ホームのこと、わかっているの?」
『小さな母』は、ワコの言葉にはこたえなかった。
「いい、ワコ。がんばって。お願いだから」
『小さな母』の真剣な声を聞いたあと、ワコはとてもよく眠った。
その男の子とまた会ったのは、数日後だった。
「ホーム」の廊下で、たまたま誰もいないときに、ワコの後ろから近づいてきたのだ。
中学生ぐらいの、おにいさんだった。
ワコのそばには『小さな母』がいた。絶妙なタイミングで、ワコに指示を出した。
「おにいさん、このまえのように、パンツのなかさわらないでね!!」
「お前、いやな奴だな」
そういって、お兄さんは、ワコの横をすうっと通り過ぎていった。
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