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そんな歩の背に由美子はソッと手を当てた。
「・・・どうしたの?何かあった?
・・・・・・貴子さんのこと??」
歩は頭をフルッと振って、目を閉じる。
心を持ってかれた、と頬を染めた由美子の綺麗な顔が
今も歩の脳裏に焼き付いている。
「・・・どうして・・・」
頭を抱えて、泣き顔を隠すように蹲った歩に
由美子はしゃがんで、その背を擦る。
「大丈夫だよ…。きっと、大丈夫。」
慰めるべき相手に慰められて
歩はただ謝り続けた。
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