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  そして、由美子はいつも通り、静かにそこに居た。 その強さに、その優しさに心が震えて・・・ 『・・・・・・どうして・・・ どうして・・・、どうしてっ!!!』 なんで、こんな酷い事ができるんだろう… どうして、こんなに優しい人を傷つけられる? 心が真っ黒になるほど怒りが包む。 もう大丈夫、と歩が微笑むと 由美子はにっこりと微笑んだ。 間近で見る彼女の顔はいつも通り 化粧で綺麗に覆い隠されているが クマと充血した目、そして、 いつも艶やかなその唇はカサカサだった。
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