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参
深夜遅く、社ビルの裏門近く
駅の反対側にある人通りの少ない緑化スペースに
女性の悲痛な声が響く。
「待ってっ!
そんなにあの子がいいですか?!
私じゃ、なんでダメなの?!」
男は冷酷なまでにあっさりと
女の手を振り解く。
だが、由美子は振り解かれた手を必死に掴む。
そんな由美子を藤谷は飽き飽きした表情で見下ろす。
「・・・いい加減にしてくれないかな?」
そして、藤谷は由美子を自分から引き剥がすと
はっきりと宣言した。
「もう君に興味はない。飽きたんだ。
君が何をしても気持ちは変わらない。
全く・・・。
君って子はもう少し大人の女性だと思ってたけど
木村さんより子どもだね。」
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