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  愕然としたような表情で見上げる由美子の手を 藤谷は振り解き、背を向ける。 「行かないでッ!!!」 由美子はその背に必死にしがみ付く。 それをうんざりした表情で 藤谷はゆっくり引きはがそうとしていた。 その場違いな場所に 客先からの資料を置きに戻ってきた歩がかち合う。 「・・・・・・何しているの・・・」 青ざめ、顔を引き攣らせた由美子の身体から 力が抜ける。 藤谷はこれ幸いとばかりに由美子を引き剥がし 歩に押し付ける。 「ちょうど良い所に来たね。あと、よろしく。」
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