6人が本棚に入れています
本棚に追加
愕然としたような表情で見上げる由美子の手を
藤谷は振り解き、背を向ける。
「行かないでッ!!!」
由美子はその背に必死にしがみ付く。
それをうんざりした表情で
藤谷はゆっくり引きはがそうとしていた。
その場違いな場所に
客先からの資料を置きに戻ってきた歩がかち合う。
「・・・・・・何しているの・・・」
青ざめ、顔を引き攣らせた由美子の身体から
力が抜ける。
藤谷はこれ幸いとばかりに由美子を引き剥がし
歩に押し付ける。
「ちょうど良い所に来たね。あと、よろしく。」
最初のコメントを投稿しよう!