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不安そうな歩に看護師長だけが残った。
「大丈夫、大丈夫ですよ。」
そう言いながら、貴子の布団を優しく整える彼女に
歩は心から安心して、涙ぐむ。
看護師長は一度躊躇してから、尋ねた。
「患者さんのご家族でいらっしゃいますか?」
いえ、と歩は苦笑する。
「家族ではないけど、親友です。
・・・血は繋がっていなくても、誰より大切な・・・」
そう答えた自分に一瞬歩自身戸惑って、口を噤む。
そうですか、と看護師長は一度瞑目してから
決意したように貴子のガウンに手をかけた。
少しだけずらして、貴子の背中の大きな痣を見せる。
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