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「・・・・・・なにこれ・・・・・・・・・」
歩はその真っ黒になった大きな痣に
それ以上言葉を失い、口にかざした手は震える。
看護師長は貴子のガウンをきちんと整え
布団を掛け直してから、
歩の隣に座って、静かに話しかける。
「この左肩以外にも右太もも裏に
同じような大きな痣があります。
そして、はっきりとした傷ではないですが
あちこちに傷跡が見受けられます。」
目を見開き、言葉を失った歩に
看護師長は悲しそうに微笑む。
「これは確証ではありません。
自分でつけることは出来ないけれど、
こけたのかもしれないし、
何かから落ちた痕かもしれない。
だから、断定はできません。」
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