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  ですが、と看護師長は 歩が恐れていた言葉を続ける。 「こういう打撲の痕を持ち、 病院に訪れる女性には特定の傾向があるんです。 …同棲している異性から暴力を受けている可能性です。」 ギュッと拳を握り、溢れんばかりの涙を目に溜め 歩はコンコンと眠る貴子を見つめる。 怒りより、後から後から溢れる、後悔・・・ 『なぜ、気付いてやれなかった・・・ なぜ、守ってやれなかった・・・ なぜ・・・、なぜ…、なぜ……』
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