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「うん、実はちょっとイラついてる」
互いに苦笑する。
「でも助かったよ。興味ない話聞かされてたから。で、どうしたの?部活のことだって?」
「あ、はい。今日の部活なんですけど、用事があるので休みます。」
「あぁ、わかった。じゃあ、今日部費回収だから、誰かに預けるなりして出しといて。それと、今日からコンクールの作品をそれぞれ作る予定だから、来週までに構想を練って────」
細々と説明する。真面目な柴乃は、熱心にメモを取っていた。
「わかりました。有難うございます」
「はいはい。それじゃ予鈴が鳴る前に教室に戻りな。後2分しかないぞ」
「え?!やば!先輩、失礼します!」
そう言って早足で去っていった。
教室に戻ると、もう女子達はいなかった。なかなか戻って来ないので諦めてくれたらしい。
席に着いて、本を読もうとすると今度は亮真に邪魔された。
「春都、ここの問題どうしてこうなるんだ?」
軽く溜め息をつく。
「見せて。……あぁ、これはまずここを計算して、その解をここの式に代入して───」
「なるほど。だからこうなるわけだ。さんきゅー」
「はいはい。早くしないとホームルーム始まるぞ」
「大丈夫、後3問…」
言いかけたところでチャイムが鳴った。先生が来て言う。
「ホームルーム始めるぞー。日直」
「ゲームオーバーだな。ノート返せ」
「……まじかよ」
軽く呆然とする亮真からノートを奪う。日直が号令をかけた。
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