第1章

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「うん、実はちょっとイラついてる」 互いに苦笑する。 「でも助かったよ。興味ない話聞かされてたから。で、どうしたの?部活のことだって?」 「あ、はい。今日の部活なんですけど、用事があるので休みます。」 「あぁ、わかった。じゃあ、今日部費回収だから、誰かに預けるなりして出しといて。それと、今日からコンクールの作品をそれぞれ作る予定だから、来週までに構想を練って────」 細々と説明する。真面目な柴乃は、熱心にメモを取っていた。 「わかりました。有難うございます」 「はいはい。それじゃ予鈴が鳴る前に教室に戻りな。後2分しかないぞ」 「え?!やば!先輩、失礼します!」 そう言って早足で去っていった。 教室に戻ると、もう女子達はいなかった。なかなか戻って来ないので諦めてくれたらしい。 席に着いて、本を読もうとすると今度は亮真に邪魔された。 「春都、ここの問題どうしてこうなるんだ?」 軽く溜め息をつく。 「見せて。……あぁ、これはまずここを計算して、その解をここの式に代入して───」 「なるほど。だからこうなるわけだ。さんきゅー」 「はいはい。早くしないとホームルーム始まるぞ」 「大丈夫、後3問…」 言いかけたところでチャイムが鳴った。先生が来て言う。 「ホームルーム始めるぞー。日直」 「ゲームオーバーだな。ノート返せ」 「……まじかよ」 軽く呆然とする亮真からノートを奪う。日直が号令をかけた。 3
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