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吹き荒ぶ北風の中を、悠然と歩いている少女『花村芽衣』。年齢は小学校、高学年くらい。ダッフルコートに、丈の長いスカートという、あまり年相応ではない出で立ち。
彼女の左目は、怪我でもしたのか、白い眼帯で覆われている。腰の付近に、紐のついた砂時計をぶら下げているのは、なんのファッションなのだろう。首からは、昔の魔法少女がするような、宝石のついたペンダントをつけている。
その、魔法少女のペンダントが突如、警告音を鳴らしはじめた。
彼女は足を止め、ペンダントを手に取る。警告音が止まる。赤い宝石が、明滅している。
彼女の立ち止まった場所は、市営図書館の前。
ふと、図書館を見やる芽衣。
開館前なのか、中は暗く閑散としている。
また、ゆっくりと歩きはじめる芽衣。
彼女の足元を、木枯らしが吹き抜けていく。
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