消えた笑顔

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 職員室から戻った比呂樹は、今度は女子生徒の瀬戸内真由にからまれていた。 「あんたさぁ、お勉強しか取り柄ないんだから、やめてくんない、こういうこと」 「……」  黙って聞いている比呂樹。 「あんたのせいで、クラスの平均学力下がっちゃったじゃない」 「だったら、おたくらが、もう少し頑張ればいいんじゃねえの?」 「はぁ……? あんたさぁ、球技大会も体育祭も、なんの役にも立たないんだから、せめて学力だけでもクラスに貢献してほしいんだけど」 「どうだっていいだろ、そんなこと……」  まるで、聞く耳持たずの比呂樹。 「つーか、あんたべつに前園汐莉とつきあってたわけじゃないんでしょ?」 「それこそ、おたくには関係ない話だろ?」  不機嫌そうに、真由を睨む比呂樹。 「ま、変人どうし相性よかったみたいだけど」  嘲笑しながら、比呂樹から離れていく真由。 「……」  深い溜息をつく比呂樹。
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