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比呂樹は、汐莉を変わってる娘だと思ったが、まずは同じ本を読んで、共通の話題を作ってからのほうが、話をしやすいのかもしれないと考え直した。
『ユニバーサル・クリエーター』の一巻を、斜め読みしてみたが、なんとなくしか、内容が分からない。
主人公は、臨床実験の検査アシスタントで、主にマウスを使った動物実験のデータなどを解析したり整理したりする仕事をしていた。
医薬事業に貢献する一方、実験体にされるマウスに対して、発ガン性物質を投与するなど、その人道から外れた行為が災いし、彼は不慮の事故で死亡したあと、地獄へと落とされそうになる。
神の遣いとして、イタチのようなキャラが、主人公に接触し、「現世の人間を震えあがらせるような地獄を創れば、おまえを現世に戻れるよう、約束を取りつける」と、伝えてくる。
主人公は地獄の一歩手前で、様々な地獄を創ることを試みる。【暗闇】【灼熱】【飢餓】等々……。
しかし、実際にその創りあげた地獄を、自らが体験しなければ、その苦しみは理解できない。
故に、彼は自らの創った世界に飛び込み、それを記録にとどめ、神へのレポートとして提出する。ある意味、それは本当の地獄を体験するのと、なんら変わらない苦行といえた。
ただ、唯一違うのは、現世に戻れるか否かということ。現世に未練がある主人公は、すすんで地獄を体験していく。
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