劣等感の勝利

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  TAKUMIのミリタリーブーツが、 ゴツンとあたしのシートの 下側を蹴る。 「TAKUMIさん、足癖悪いです」 「うっせ」 「なになに、俺も混ぜて混ぜてー」 お手洗いに行っていたKE-TAが、 バタバタと戻ってきて、 ちょこんとあたしの隣に腰を下ろした。 「何の話してたの」 「別に」 大して興味などなさそうに ふぁ……と欠伸をするTAKUMI。 その横顔を見ながら、 KE-TAが何か考え深げにしていた。 この表情は、要注意だ……。 クルリと振り返ったKE-TAは、 ポケットから何かを取り出して あたしに見せる。 .
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