劣等感の勝利

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  KE-TAは目を閉じると 「ん」と口唇を差し出してきた。 そこでやっとこの体勢の 危うさに気付く。 ……女子顔負けの 白くてきめ細やかな肌。 バンドマンってライトに 当たったりするし、 夜更かしもするだろうし、 もうちょっと不健康そうな イメージがあるんだけど。 とりあえずKE-TAの肌は 女子高生みたいに ぷるんとツヤツヤ。 これを至近距離で 眺めさせていただくなんて、 ちょっとアレだ。 「あの、……KE-TAさん」 「なあに、早くしてよー。 時間ないんだってばー」 「す、すみません……」 何故かあたしが謝る羽目になる。 .
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