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 こいつ本当にこんなんで男がコロッといくと思ってんのかな。  なんだか無性に先輩のしかめっ面が恋しい。俺に対してあんなに愛想悪い女、多分先輩が初めてだ。  会いに……行ってみるか?  先輩の部屋の鍵なら、確か鞄の内ポケットに入れっぱなしだ。これを使ってあの人を驚かせてみるのも悪くない。  突然の思いつきに、ようやく気分が持ち直してきた。 「上村さん、私ちょっとだけ失礼しますね」 「ああ、いってらっしゃい」  そろそろ一次会終了の時間だ。相良はおそらく化粧直しかなんかだろう。  うだうだしてると、相良に捕まって二次会コースだ。いや、下手したら今日はそれだけじゃ済まないかも。 「あれ、上村さんもう帰っちゃうんですか?」 「悪いな山野。相良がいないうちに帰らせて」 「はは……仕方ないっすね」  さすがの山野も気を遣ってか、いつもより数段小さい声で返事をした。 「じゃあ、また来週な」  俺は山野に少し多めに会費を払うと、早々にその場から逃げ出した。
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