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――――――
重厚感のある木製の扉を開けると、正面のカウンター席に座る彼の背中が視界に映り込む。
「遅くなってごめんなさい。会議が長引いて…」
「来てくれたんですね。良かった…合格点貰えたんだ」
息を切らせる私を見つめ、彼はパッと咲く様な無邪気な笑みを放った。
「今日のカテ、期待してた以上に素晴らしかったわ。あなたに合格点を付けない医師なんて、病院中のどこを探してもいない筈よ」
淡いオレンジ色の照明に照らされる彼を見つめ返し、柔らかな笑みを向ける。
「他の医師の評価なんてどうでもいい。あなたからの評価が欲しいだけ。俺は、あなたが欲しいだけだ。…卒業祝い、くれますか?」
私の瞳の奥を覗き込むように言って、彼は私の冷たくなった手を掬う。
「そのために、私はここに来たのよ?」
私は温かい彼の手を握り返し、頬を緩めはにかんだ笑みを浮かべた。
―――――
「先生…綺麗だ。とても…」
彼は熱っぽい声で言って、手のひらで味わうように胸の膨らみを撫でる。
「…んっ……もう、あなたの先生じゃないわ。名前で呼んで良いのに…」
絡みつくように彼の首に手を回し、耳もとに熱い吐息を落とした。
「だって、口の利き方に気をつけないと評価落とされちゃう」
囁く声で言う彼は、ゆっくりと長い指を下へ這わせ、食むように胸の頂を口に含む。
「はあっ……あん…あ、…っ…」
止めどなく蜜の溢れ出すそこに指を忍ばせると、微熱の塊が奥から押し上がり甘い悲鳴が喉を突く。
「評価って……ぁ…だってもう…っ…」
奥から広がる快感の波に耐えるようにして、切なげに声を震わせる。
「勿論、セックスの評価ですよ?今度は、あなたの身体が俺の熱で埋め尽くされるまで全力投球します。覚悟して下さい」
彼は私の頬を撫でながらそう言って、悪戯気に笑う。
可愛い顔して生意気で。
だから、年下の男って……
「…バカね。私を誰だと思ってるの?そのセリフ、100年早いわよ」
彼が愛しく思えて。
顔をほころばせ「ふふっ」と甘く微笑んだ。
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