第1章

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「うわ、ってなんですか!酷い!好き!」 「あはは、うざい」 「ばっさり!うざいとかはやめてください、事実すぎて言い返せないです!」 「わかってるなら自重しろって…」 「それより髪染めたんですね!今年度は青ですか!似合ってますよ私の黒髪とベストマッチだと思いません?隣歩いて出掛けたりしません?」 「さんきゅ、黒髪なんて七瀬じゃなくてもいっぱいいるけどな。しない」 私、七瀬唯奈はこのつれない先輩、黒崎洸さんが好きだ。 遡ると長くなる恋に落ちた瞬間から、口が悪くて髪の色が奇抜で、喧嘩っぱやくて、実は優しくて格好いい先輩が日に日に好きになる。 勿論、直球勝負がモットーの私でも、最初からこんなにアクティブな求愛行動をしていたわけじゃない。 高校生においての年の差は、たったひとつでもとても大きくて、なかなか話し掛けられない時期もあった。ほんの数日だけど。 好きだなー、と思いつつなにも行動出来なくて歯痒い時期もあった。ほんの数日だけど。 でも先輩を目で追うようになってすぐ気付いたことが2つあった。
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