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第8章 春の花火
いよいよ満を持して
バッカスがメジャーデビューの日を迎えた。
ゴールデンウイーク真っ最中のことだった。
「いやいや、好調好調、絶好調だよおまえたち」
ご機嫌の社長に呼び出され
お褒めに与かっているのはバッカスのメンバー。
そしておまけの僕。
「デビューシングルの売り上げ、デビューイベントの動員、出演番組の視聴率、ここ数年の新人の中じゃ記録的快挙だ」
社長の趣味か。
社長室の壁はフィギュアのコレクションでいっぱいだ。
「ココさん……っ」
僕は話も聞かず目の色変えてそればかり見ているココさんの袖を引く。
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