第1章

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目を覚ますと、真っ白な景色が広がっていた。 しかしそれは、風景という綺麗なものなんかではなかった。 そう、ただの天井だったのだ。 汚れ一つない天井をぼんやりと眺めながら、思った。 ここは……どこだ? 記憶を失ったとかそんなんじゃない。ちゃんと自分の名前だってわかる。 俺の名前は木藤晃(きふじあきら)。高校二年生。……うん、記憶に関しては何ら問題ない。 本当に、ただ、ここがどこなのかさっぱりわからなかった。 見に覚えのない場所。そこに俺はいた。 体を起こし、辺りを見回す。 ……2.5畳、くらいかな。広さ的に。 壁と床も真っ白だ。なんだか見ていて不安になる。俺が今現在乗っかっているふかふかのベッドも、白。純白。 さらにさらに言ってしまえば、身につけている衣類も白でした。 ……俺の服じゃない。誰かに着替えさせられたのか? 何だか嫌な予感がする。
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