二人の女神

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「そりゃそうでしょ、マギアが持っているのは慈愛の感情であって人と人が愛し合うものとは違うわけだし。っても人が持つ愛って感情がどんなものかは解らないけどさ。それってマギアにも解んないの?」 「恥ずかしながら」 「それだけじゃ無いでしょう、マギアはステータスが慈愛に極振りしてるから憎しみとか怒りとかそんな感情も無いだろうし。……まあもっともそんなのあったら今頃神話大戦とか起きてそうだしね」 ニシシと笑うナナイのその笑顔は作り物にも見えた。 「感情に関しては人の方が上でしょう。たまに下界を見下ろしますがやはり理解しがたいものもありますから。戦争、裏切り……見ていて心が痛くなります」 「でもそれに下端したらダメでしょう、神として」 「確かにそれが神としての正しい感情なのかもしれません。でもそれでも私は知らないといけないのでしょう」 「ふーん、それって使命感みたいなものなの? だけどマギアは神の中でも特色あるからねー、唯一半直接的に人とつながりがある神様なんだから。あ、閃いたっ!」 ナナイはわざとらしく大げさに反応した? 「嫌な予感しかしませんが聞きますよ。それは暇つぶしかなにかですか?」 「そうだね。ちょっとこれ見てよマギア」 ナナイはふとそこら辺の地面を見つめた。するとそこは空間が切り取られ下には地上が移った。 「これは?」 「私が七番目に、最後に作った世界。この世界は貴方に作った世界かな」 「私にですか?」 「うん。マギアって優柔不断でしょ、それは愛を司る神の特徴なのかもしれないけど。だから貴方専用の世界を作ってみたの。神様なんだから信仰ぐらいないと。そんなの飾りだけど」 「それでこの世界を作ってどうするのですか? どうせナナイの事だから暇つぶしに作って飽きたのではないのですか?」 「まさにその通りだね。でもこの世界の人が信仰しているのはマギアなんだよ。こんな世界ってほかの神様にはないんだ。神様なんてその程度の存在、強い力を持っていてそれで終わり。マギアは人や愛を司る神なんだから自分の世界を持ってもなんら変じゃないよ」 「それすらも暇つぶしなのでは?」 「まーね」
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