プロローグ

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プロローグ

その瞳は、紫水晶(アメジスト)のように輝く。 その肌は、雪の様に白い。 ほう、と思わずため息が零れてしまうほど、美しい。  その乙女が泣いた時、輝きながら流れていく涙は、宝石へと変わっていくだろう。 凍てつく瞳の男に囚われた、姫君は、それでも健気に嘘を吐く。 「貴方なんて、大嫌い」   それが嘘だと誰が思うだろうか。その少女を利用し、脅し、心なんて見せず冷酷に佇む狼を、誰が愛してくれると言うのだろうか。  二人の心に降る雪は、きっと誰も見たことが無い、優しい音が鳴るだろう。 image=490485790.jpg
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