第1章 雷雨の孤島で

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戦争開始から100年が経ち、戦争はさらに激しさを増した 大地は裂け、海は血と火薬で赤黒く染まり、平和だった頃の面影はもうそこにはなかった 無論、彼らへの不満や野心から戦争を仕掛けた者もいたが、戦神達の圧倒的な力の前に倒れていった そんな中でただ1人、彼らの領地に進攻して勝ち続けている者がいた。彼女の名は、アルテミス 神王ゼウスの妻、ヘラの侍女であり、神王から軍を与えられた唯一の女神である 彼女の力は戦神達の誰よりも大きく、彼らが奪った領地を次々に奪い返していった 彼女が取り返した大地には再び平穏な日々が戻り、住民達はアルテミスを『戦いの女神』と呼び、賞賛した ところがその数年後、そんな平穏な日々に、突如、絶望が訪れた。6人の戦神が連合軍を組み、アルテミス側の領地へと攻めて来たのだ 彼女は、住民を避難させ、万全の体制で戦神連合軍の前に立ちふさがり、彼らに刃を向けた しかし、幾度となく戦神軍を破ってきたアルテミスの刃も共同戦線を張った彼らの前では棒キレも同然だった …アルテミス率いる神王軍はわずか半日で壊滅し、彼女自身もその命を失った
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