17人が本棚に入れています
本棚に追加
「それじゃあ、私大きくなったらショーンのお嫁さんになるわ!!」
「本当かい?
それは光栄だな、俺の可愛いお姫様。」
ニッコリ微笑んで小さなお姫様を抱き上げれば、小さな唇が俺の頬に“チョン”と触れて、可愛いキスをくれるんだ。
こうしてデイジーを抱っこしながら、俺は彼女にやっと視線を向けるんだ。
「お帰りショーン。」
「ただいま、サクラ…。」
柔らかく微笑む彼女の瞳を真っ直ぐ見詰めて微笑み返せば、彼女は俺を抱きしめて頬にキスをくれる。
デイジーを抱えていて、彼女の華奢な体を抱きしめられない俺は、彼女の滑らかな髪の毛に唇を寄せて、心の中でそっと呟くのだ。
“サクラ、大好きだよ…。”
サクラはデイジーの母親で、二年前に天国へ旅立った兄であるリックの奥さんだ…。
五年前、リックがサクラを連れて、この家を訪ねて来た日の事を、今でもはっきりと覚えている。
「ショーン、紹介するよ。
俺の奥さんになる人、サクラだよ。」
「初めまして、ショーン。」
はにかみながらそう言う彼女を見た瞬間、俺はもうサクラに心を奪われていた。
最初のコメントを投稿しよう!