遠く馳せる想い

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『ただいま』 たった四文字しかないその言葉。 だけど僕にとっては何よりも待ちわびていたもの。 『総司、すまなかったな』 『近藤さん、土方さん……ボロボロじゃないですかっ』 顔や腕は傷だらけ。 きっと見えないところにも、それはたくさんあるのだろう。 どんな状態でもいい。 『生きてたんですね……!』 生きて帰ってきたことが嬉しくて、土方さんに抱きついて子供みたいに涙を流した。 『鼻水つけんじゃねぇぞ!……ったく』 ひとしきり泣いて嗚咽もおさまった頃、ふと気付いた。 帰ってきた人の中に、彼女の姿がない……? 不思議に思い尋ねてみると、土方さんは首を横に振って気まずそうに”消えたよ”と答えた。
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