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「だけど、追いかけてきたONIが増え始めてノズミは自分ひとりの力に限界を感じたんだろうね。だから時空石を使ってONIを退治できるKIBI錠を作れる桃太郎を召還したんだと思う」
「俺?」
自分を指差す桃太郎兄に私はコクンと頷いた。
「いや、でも俺ONIってここ来て知ったんだけど。それにKIBI錠だって、なぁ? 桃子」
「はい、普通に滋養強壮剤として作っただけですし」
不思議そうに顔を見合わせる桃太郎兄と桃子。
こんな事実に、やはり人は神に愛されてると知る。
「人には予知能力といった力があります。それが作用してこういったものが作られたのでしょう。そして今度はそれをノズミが利用しようとしたのでふ?」
口をぐにっとつままれて語尾がおかしい。
摘んでる張本人はSARUで……。
「口調がKIJIじゃねえ。変な話し方すんな。お前はKIJIだろ?」
そう言われて苦笑してしまった。
すっかりラファエルの頃の記憶に引きずられてる。
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