過去

21/25
前へ
/39ページ
次へ
「で、その時空石ってやつはどこにあんだ?」 「え?」 「それがあればなんとかなんだろ? ノズミからONIに返せば、めでたしめでたしだろ?」 にかっと笑う桃太郎兄に私の頬も勝手に緩んでしまう。 「ほら、いつも首からかけてた石! あれだよ」 「おぉ、あれか!」 「うん、そう」 「で、今はどこにあんだ?」 「ノズミ兄が持ってると思う。いつも肌身はなさずいたし。ってかあれがないとノズミ兄は一気に年とって死んじゃうもん」 「あれま」 「困るよねー?」 そう言って二人で顔を見合わせて笑ったけど、他の誰も笑ってない。 「こんな複雑な話だなんて」 BAの言葉にJIも「全くだ」と頭を抱える。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加