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「そんじゃ鬼退治、じゃなくてノズミに会いに行くか!」
そう言って桃太郎兄が桃のカプセルを手にした。
「そ、そんな今すぐじゃなくても! もっと計画をたてて」
「やめろ、BA。わしらの役目は終わったと言われただろう?」
「で、でもタイムスリップだなんて! 現代の科学でもどうにもならないことなのに!」
「任せろよ、母さん」
SARUの声にBAが涙ぐんでる。
「そうそう、鬼退治じゃねぇんだ。ノズミとちょっと兄弟喧嘩するだけだからさ」
にかっと桃太郎兄が笑うと桃のカプセルが大きくなった。
人が一人入れるほどの大きさに。
「これで帰るのか、ちょっとだけ懐かしいな」
「ですね、社長」
桃太郎兄と桃子が顔を見合わせて笑えばINUがちょっと面白くなさそうに舌打ちわする。
「KIJI、離れんなよ?」
「うん」
頷いて桃の中に身を任せた。
瞬間、私の視界は真っ暗になって無重力状態に。
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